Category:テクニック
色んな意味でボロボロな試合だった
- 対B級 ○3 お手5
- 対B級 ×3 お手4(序盤から左手)
- 対C級 ○6 お手0(左手)
- 対B級 ×2 お手3(左手)
- 対D級 ×5 お手5(左手)
一試合目は、ここ最近で一番勝ちたかった相手と(笑)前日の飲み会が原因で、脱水症状&尿意に襲われたために試合中に一度席を外したが、なんとか勝つことが出来た。あまり早い取りが出来た気分ではなかったが、相手には前の対戦よりも早く見えたらしい。うーん……何が違うんだろう。
二試合目は、実は今回の負けで5連敗。相手の成長を素直に認めてあげたいところだが、それ以前に僕自身の不甲斐なさを反省しなきゃな。この試合では最初の何枚目に読まれた札でハプニング発生!
『たか』の札が読まれたときに、僕は相手陣の『たか』を取りに行ったのだが、相手は僕の陣の『たき』を攻めてきて衝突。僕の手が、相手の手のひらの手首に近い部分にもぐりこむような形でぶつかってしまったため、かなりの衝撃であった。すぐに、指がズキズキ痛み始めたので席を外して流水で冷やす。試合をこのまま終えるつもりはなかったので、読みを聞いて決まり字整理をしながら札が十数枚読まれるくらいの時間を治療に専念した。
おそらく骨に異常はないだろうと判断し、湿布を巻いて利き手と逆の左手で試合をすることに決めて試合に戻ってくると……あれ?相手が札を全然送ってきていないぞ?
僕「あのさ……何で札を送ってないの?」
※「いやぁ、お手つきしちゃったんですよ」
僕「そんなわけないでしょ……3枚くらい僕の陣が出たはずだけど」
※「いえ、そこはフェアプレーで!」
僕「フェアプレーなら、それこそちゃんと札を送ってよ。ぶつかったのは仕方ないことなんだから」
※「はい、わかりました」
僕「あ……でも、今から左手で試合をするから、それは許してね」
気を遣っているというか、僕に怪我させて申し訳ないという気持ちが大いに表れてました。でも、『お手つきした』というバレバレの気の遣い方には、ちょっと笑いそうになってしまった。相手がいない一人取りの状態で、3回もお手つきするわけないじゃん!笑
そして、久々(2006年6月18日以来)に左手で試合をすることになったのだが、思っていたよりも手が動いてくれた。腕の力と手先の加減は明らかに利き手より衰えているが、下半身の使い方はいつも通りで良いのでなんとかカバーできた。だけど、最後の最後で相手陣のラスト1枚を抜きに行くスピードが出せません。相手陣を抜ききれずに負けちゃいました。
三・四・五試合目も左手で試合。少しずつ慣れてきた感じだけど、取れる場所と取れない場所がはっきりしているため、精一杯頑張っても接戦になってしまう。しかし、左手で試合をすることで、普段は気がつかない自分の癖がいくつか見えてきた。
- 左ひざが右ひざよりも下がるのは、左手で試合をしても同じ……つまり、下半身がそう構える癖になっている
- 自陣での札の好き嫌いは、利き手側にあるかどうかが大いに影響している
- 札の送りは、利き手側に……(以下同文)
- 左手で構えると、いつもより構えが低くなる。もしかしたら、普段は無理に構えを高くしてしまっているのではないだろうか?
- 左手で試合をすると、ある方向に反応したら違う場所を取りに行ったり戻ったりが出来ないことが多々ある。つまり、普段は最初に反応した方向が間違っていても、上半身と右手の力でカバーして取れているので気がついていないだけで、実は一音目で間違った方向にばかり反応しているのではないだろうか?
左手でやると、普段の練習では気づかないようなことに気がついちゃいますね。右手が治ったら色々と試してみようっと。うーん、久々に左手を酷使すると肩が痛いよー(涙)
お手つきをしたらどうするか
そう言えば、昨日の大会のときにのんびりとおしゃべりしているときに、「お手つきしたときには、どうしたら良いですかね?」という質問を受けた。そのときは簡単に答えただけだったので、ちょっと僕がお手つきしたときの心構え等を描いてみようと思います。あくまでも僕の考えであって、これが正しい方法だとは思いませんけどね。
1.お手つきしたらテキパキ動く
お手つきをしてしまうと、「うわー、お手つきしちゃった」という気分になり、明らかに負のオーラが漂ったり、ダラダラと札を取りに行って札を整理する人をよく見かけます。だけど、こういうときこそテキパキと行動すべきです。
ダラダラした動きになると、それが集中力・やる気の低下へとつながってしまいます。また、札の整理が遅れると、それだけ読手を待たせてしまうことになり、試合の進行自体を遅らせてしまうことになってしまいますしね。
2.顔の表情を変えてみよう
お手つきをしてしまった場合、大きく分けると以下の4つのいずれかの感情が発生すると思います。
- 自嘲(うわー、またやっちまったー)
- 悲しみ(なんで、こんな大事なところでお手つきを……)
- 怒り(くそっ!お手つきしてる場合じゃないのに!)
- 無感情(お手つきをしたか。よし、次!)
この中で、最も良いのは無感情……つまりポーカーフェイスで感情を乱さずに集中を続けることだと思います。しかし、実際には何かしらの負の感情が生まれるので、それをうまくコントロールする必要がでてきます。
そこで、僕は『顔の表情を変える』ということを実践しています。自嘲して、顔がにやけてしまっている時には、意識的に顔の表情を引き締めて集中力を取り戻そうとします。悲しみや怒りの感情の時には少し微笑み、リラックスさせようとします。
顔の表情を変えると顔の表情筋が変化します。そして、脳が表情筋の状態を読み取って、今がどのような感情なのかを感じ取るので、ただ単に「感情をコントロールしよう」と意識するよりも、表情を伴わせた方が効果があるのではないかと思います。
3.次の札の読みに集中しまくろう
お手つきをすると、お手つきをしてしまったことに対する負の感情が生まれてしまうことに加え、札の送りに対する暗記を行う必要が出てきます。そして、お手つきをしてしまった場合は札の整理に時間がかかってしまうことが多く、札の整理終了後から読手が読み始めるまでの時間が短い可能性が高いです。
その短い時間で、感情コントロールや札の暗記を行っていると、知らない間に読みへの集中が散漫になってしまっている場合があります。これに当てはまる人は、いつも以上に次の札の読みに集中すべきだと思います。
まとめ
長々と書いてきましたが……本当は、こんなことを考えたり実践したりすよりも、お手つきをしないようにするのが一番なんですよね(笑)だから、お手つきした後の対処を努力するのではなく、お手つきしないための努力を頑張りましょー!!
僕が左側を払うのが下手な理由を考えてみた
最近、かるたの試合をしていて左側の札がうまく払えずにリズムが狂ってしまうことが多い。理由を色々と考えてみた結果、今日ひとつの仮説が浮かんだ。それは、『左側の壁をうまく作れていない』ということだ。
僕の左側の払い方は、左半身に直線的な壁をつくりだし、軸として固定した状態で払くというものだ。しかし、どうも最近は左ひざと左手を支点として回転するような形で払いにいっているような気がしてならない。左ひざの位置は、構えたときと同じ場所のままで払っているのだが、左足先の位置は思いっきり動いてしまっている。思いっきり左側を向きながら払いにいっているような感じかな。
このような払い方が良いか悪いかはさておき、僕の理想とは違うので、以前の様な壁をしっかりつくる払い方に矯正したいと思います。とりあえずは、左足先の位置を固定したまま払いにいくようにすることが、現状打破のきっかけになる……かもしれない。
あとは、払うときの手の形も矯正しなきゃなー。最近は手の指を開いた状態で取りにいってしまうことが時々あるのだが、ぶつかってしまったときの危険性を考えると、開かない状態で取りにいった方が良いだろう。いつからこんな癖がついたんだろうなぁ……やれやれだぜ。
何故、右ひざを下げて構えるのか
(注)この記事では、左利きの人は『右』と『左』を逆にして読んでみてください。
競技かるたの構えには色々とあるのだが、構えの中でひとつのスタンダードとなっているのが『右ひざを下げる』というやり方だ。僕は右ひざを下げて構えるやり方が自分には合っていない気がするということと、左右非対称で長時間構えることで体にゆがみが生じてしまうのが嫌なので、右足と左足はできるだけ同じようにして構えている。
だからと言う訳ではないが、僕が構えを教えるときには「右ひざを下げましょう」とは言わずに、「右ひざを下げる人も結構いるよ」程度にしか言わない。その構えが自分に合っているのであれば、自分で勝手に身につけるだろうし。
さて、この『右ひざを下げる構え』なのだが、僕はかるたを始めてから数ヵ月のときにこの構え方を知った。しかし、その構えの利点についての説明はなく、利点を聞いても「これがやりやすいでしょ?」というアバウトなものだった。僕は、利点もはっきり説明できない構えはやりたくなかったので、その構えはやらずにいた。
そして大学のとき、構えのバランスがおかしくなってしまって全然札が払えないという状態が数ヵ月間続いたことがあった。僕はその原因を探るために、色々な構えを試していき、『右ひざを下げる構え』も実践してみて、自分なりにこの構えの利点を考えてみた。
1.ひざの位置をより前方にしつつ、自陣右下段の取りをカバー
その人の体系にもよるが、ひざの位置が前方にあればあるほど相手陣の札が取りやすい。しかし、ひざの位置が前方過ぎると、札を取りに行くときに自分のひざが邪魔になって取ることができない。左自陣の札は、肘を左側に曲げることによって自分のひざを避けながら取ることも可能だが、右自陣の札は、体の構造上肘を右側に曲げることが出来ないので、自分のひざが邪魔になってしまう。
そこで、右ひざを少し下げることによって、自分のひざが邪魔になるという現象を抑えることができる。僕が高校の頃は、「ひざは出来るだけ前方にして、自陣下段を払うときに邪魔にならない程度に」と教わったものでした。
2.相手陣右(自分から見て左側の相手陣)が取りやすい
自陣右下段だけが取りやすいという理由だけで、『右ひざを下げる構え』がこんなに流行するわけがない!と思って色々と考えた結果がこの利点でした。
まず、『右ひざを下げる構え』を違う視点から考えると、『左ひざを前に出して、重心も前に出す構え』になる。相手陣右を取るときには、自分の左ひざや左手の辺りが支点や壁となって働くため、それらの部分をより前方に持ってくることにより、相手陣右を攻めやすくなるというわけだ。
相手陣を攻めるときに、相手陣右の札を抜くことは重要であるため、右ひざを下げる人が多いのではないだろうか?
というのが結論です。他にも利点はあるんだろうけど、僕自身の構えはひざの位置が水平だし、一年位前は左ひざを下げて構えるという逆のことをしており、右ひざを下げて構えての試合をあまりやっていないので、これくらいしか浮かびません。他に何か利点があったら教えていただけるとありがたいです。
最後の1枚は何を残す?
競技かるたの試合で勝ち試合の場合、相手よりも先に自分の陣の札を1枚にすることが出来る。こういう場合、最後の1枚はどのような札を残すのかは、ある程度自分の意思で決められるのだが、どのような理由で自陣に残す札を決めるパターンがあるかを考えてみた。
母音
『あ・い・う・お』の札を残すというパターン。理由は、子音が存在しないため、自分が反応できない音の領域で相手に反応されて、自陣をズバッと抜かれる可能性が少ないから。要するに、相手が攻めづらいだろう……ということです。
一字札
『む・す・め・ふ・さ・ほ・せ』の札を残すというパターン。元々が一字札ということで、子音レベルまで考えなければ決まり字の長さが変化しないので、一字札が苦手でない人は楽に取ることができる。
自分が得意な札
得意な札を残しておけば、自陣を抜かれることも少なく、相手陣を強く攻めても自然と自陣に反応できたりするものだ。
相手が苦手そうな札
相手が苦手そうな札を残しておけば、ズバッと自陣を抜かれる可能性が少ないので、相手陣を強く攻めることが出来る。しかし、終盤になると、苦手な札であっても狙いさえすれば超反応をされるので注意かも。
決まり字が長い札
相手陣の残り枚数にもよるが、自陣に決まり字が長い札を残しておくと、相手陣を思いっきり攻めて、自陣だったら戻って取るようなことができる。終盤に弱気になって相手陣を攻めれない人は、このやり方で強制すると良いかも。ただ、相手の残り枚数が少ないときはちょっときついかも。
単独札
別れ札を残しておくと、思いっきり攻め切れなかったりするので、単独札を自陣に残しておいて、確実に守る、もしくは確実に攻める作戦。
読まれそうな札
残り枚数が少なかったら、読まれる札が自陣にあると有利。最後まで読まれない札を相手に送っておいて、自陣には読まれる札を置いておく。本当に読まれる札が分かっていたら、この方法が最強だね。
とりあえず思いついたのはこれくらいかな。ちなみに、僕がどの方法を使用しているかというと……実は全部やってます。多分、一番よくやっているのは母音を残すパターンなんだけど、運の良し悪し、流れの良し悪しによって送り札を変えることが結構多いからなぁ……僕は『オカルトがるた』なんでね(笑)
僕と大山札 その4
これまで、大山札に関する思い出話を語ってきましたが、大山札をたくさん練習したからといって、それが自分の実力向上にすぐに結びつく可能性は低いと思います。かるたの実力を伸ばしていく段階では、大山札のように長い札を練習するよりも、1~3字決まりくらいの札をたくさん練習した方が良いです。
大山札をはじめとする決まり字の長い札(4~6字札)を、元の決まり字の長さ(決まり字変化前の状態)で取ることができる枚数は、一試合でどれくらいあるのかという期待値を求めると、
- 6字札 …… 1.5回
- 5字札 …… 0.5回
- 4字札 …… 1.5回
これは、その試合で場にある50枚の札が全て読まれ、友札を同じ陣に置いて決まり字を短くするようなことをしない、という前提での計算結果です。この結果より、実際に4文字以上の決まり字のタイミングで取る必要がある枚数の期待値は、これらの値を合計して、一試合あたり約3.5回となります。そして、3文字以下の決まり字のタイミングで取る必要がある枚数の期待値は、一試合あたり約46.5回となります。
このように分けて考えると、3文字以下の決まり字のタイミングで取る事の方が圧倒的に多いです。だから、まだ自分が成長段階にあり、試合に勝てる選手を目指している場合は、長い札の練習はとりあえずおいといて、短い札の練習をすると良いと思います。
しかし、「全ての札を取りたい」「苦手な札をつくりたくない」「かるたを楽しみたい」という思いが強いのであれば、大山札をはじめとする長い札もたくさん練習してみましょう。僕のように、『大山札』というテーマだけで思い出話が語れるようになるかもしれませんから……
<おわり>
僕と大山札 その3
大学のサークル練習日のことだった。その日は休日練習であり、珍しく県外からA級選手も参加されていて、僕はさっそくその方と対戦することになった。
そのときの大山札の場所は、僕の上段中央に『あさぼらけ』と『わたのはら』が単独で2枚ある状態だった。試合が始まると、序盤でさっそく『あさぼらけ』の出札が読まれ、僕は札を囲って決まり字と同時に指先で手前に払って札を取った。
すると、対戦相手の方は、「なるほど……そうきますか……」と感想を述べて何かを考えているようだった。おそらく、この僕の取り方に対して『わたのはら』をどのようにして取ろうかと考えているに違いない。相手がどのように対処してくるかを楽しみにしながら、『わたのはら』が読まれるのを待った。
そして、そのときが来た。『わた……』と読まれたときに、さっきと同じように札を囲いにかかったのだが……相手の手が僕を襲ってきた!囲おうとしていた僕の手は相手の手に押されて力強く押し戻され、最初に構えていた手の位置まで戻されてしまった。
手を押し戻されることを予想していなかった僕は、全く対処できずに、決まり字が読まれた後に相手にゆっくりとで札を取られてしまった。あっけに取られていると、僕が何も言い出さないうちに、「囲っている手をどかしてはいけないというルールはありませんから」と言いながら、笑顔で札を送ってきた。うーん……まさか、こういう技で大山札を取られるとは(汗)
試合が終わった後は大山札の話になり、相手に札を囲われたときの対処法を聞くことが出来た。そして、その方は囲った手を真上に持ち上げる技……名付けて『ショベルカー』という必殺技を持っていることを教えてもらい、この日から僕はこの技を習得しようと練習に励んだ。
しかし、この技を習得するのは思ったよりも難しかった。普段札を払うときと違って手のひらを上に向ける必要があるし、相手が必ず札を囲ってくるとは限らない。だから、普段は自分から大山札を囲いに行き、相手が札を囲ったときに臨機応変に対処することが必要だった。初めのうちは、相手が囲ってもいないのに、相手の囲った手を持ち上げようと待ち構えてしまうことも多かったのだが、変にこの技に対する意識に重きをおかず、技の動きのイメージだけを心の片隅に置いておくようにした。
数ヵ月後……いつの間にか技が完成していた。見せてもらった必殺技『ショベルカー』とは動きは違うが、相手が札を囲ったときにその手を払うようにして持ち上げる臨機応変さが身についていた。そして、この技を僕は『囲い手崩し』と呼ぶようにし、それからは全く意識せずにこの技が使えるようになっていた。この技の利点はというと、
- 相手が囲ったときにだけ発動し、囲わないときには自分の理想の形で札を取りにいける
- 成功したときは、相手に与える精神的ダメージが高い
- 相手が焦ってお手つきをしやすくなる
- なんか楽しい
こうして、僕の大山札に対する技や意識の基盤が築かれたのであった。ちなみに、このときはまだ僕は初段くらいだったと思います。
<つづく>
僕と大山札 その2
僕が大山札の定位置を全て上段中央にするようになって、色々とこの配置の利点が見えてきた。
- 別れ札のときに、相手陣を攻めてから戻りやすい(その分相手も攻めやすいけど……)
- 別れ札のときに、自陣を囲ってから相手陣を攻めやすい(相手に先に囲われるリスクも高いけど……)
- 相手が必要以上に大山札を意識してしまうことがある
- 僕はもともと苦手な札なので、あっさり取られてもダメージが低い
- 自陣の札の多さやバランスに拘らず、置く場所が変化しない
確かに、どれも絶対的な利点ではないのだが、今まで全然大山札が取れていなかった僕から見れば、相対的にかなりの利点であった。
その後、僕は高校を卒業して大学になってかるたを続けたのだが、ある日のかるた合宿で試合が終わった後に、対戦相手の方に「大山札は全部上段の真ん中に置いてるの?」と聞かれた。「そうですけど……」と答えると、「『きみがため』は、他の大山札と性質が違うから場所を変えたほうが良いんじゃないかな」と提案された。
その意味が瞬時には理解できなかったので、どういうことなのかとたずねると、『あさぼらけ』は16枚ある『あ札』の中の2枚、『わたのはら』は7枚ある『わ札』の中の2枚であり、一音目が読まれた瞬間に大山札へと反応することは少ない。しかし、『きみがため』は3枚ある『き札』の中の2枚であるため、一音目で反応されやすい上に、一音目で取る事も多い。
言われて見れば最もな話であり、おそらく試合を重ねていくうちに感覚的には理解していたことなのだが、僕はそれを意識的には理解しておらず、大山札はどれも同じような意識でとらえていたように思える。
普段は、どんなに強い人から受けたアドバイスであっても、自分が納得しなければ全く実践しようとは思わないのだが、このときはすぐにそのアドバイスを実践することにした。そして、『きみがため』の新しい定位置は右中段の一番外側。理由は、『きり』の札がその場所であったために『き札』があっても違和感がなかったということと、一番端に置くことにより札の場所を変動させないようにしたい、ということがあった。
そして、『きみがため』の囲い方は、今まで前方に手を出して囲っていたのを、右側に手を出して囲うように変化させただけ。ただ、普通に囲うと札の上側から入られやすくなってしまうので、札の上側が見えないように囲う。そして、このように端の札に対して、指先を触れるようにして囲うやり方には利点があり、相手が出札に触らずに札押しで払ってくるような場合に、競技線から出札が完全に出てしまう前に、囲っている手に出札が触れるので、相手の取りにならずに自分の取りになる……ということも、この合宿のときに学んだ。
このようにして、僕の大山札の定位置は『上段中央』と『右中段端』へと決まったのであった。しかし、まだ話はこれで終わりではなく、僕が大山札を語る上で忘れることの出来ない試合があるんですよね……
<つづく>
僕と大山札 その1
以前、このブログで自分の定位置をさらけ出してしまった(2007-10-04 僕の自陣の配置を教えます)ので、今更隠す必要なんてないわけだが、僕の大山札の定位置は『上段中央』と『右中段端』だ。では、どうしてこのような定位置になったのかという思い出話でもしてみようかと思います。
僕は、もともと大山札が一番嫌いだった。かるたを始めたばかりの初心者で、大山札が得意だという人はまれだと思うのだが、相手陣の大山札が出たら相手が取るのを見つめるだけで、自陣が読まれても囲えずに取られるか、囲えたとしてもあっさり下に入られ取られていた。ちなみに、僕がかるたを始めたばかりのときの大山札の定位置は、右下段の内側あたりに『あさぼらけ』『きみがため』、左下段の内側あたりに『わたのはら』を置くようになっていた。これは自分で決めた配置ではなく、当時既にA級選手だった同級生に僕の配置をつくってもらってこのようになっただけであり、大山札の配置を変えるべきかな……と思いつつも、手つかずの状態だった。
そんな高校2年の冬のある日、3年の先輩が部室に来て、帰る方向が一緒だった僕は部活後に自転車で一緒に帰ることになった。そして、「帰りにうちに寄ってみらんね?かるたの技ば教えてやるよ」と言われ、お家にお邪魔して畳のある部屋へあがらせてもらった。
そこは、こざっぱりとした部屋で、もしかして先輩はこの部屋でかるたの練習をしていたのだろうか……と思っていると、札を並べていた先輩が、「何が一番苦手ね?」と聞いてきた。僕が「大山札が苦手なんですよね……」と即答すると、「じゃあ、上段の真ん中に置きなっせ」とこちらも即答(笑)どうやら、先輩の大山札の定位置が『上段中央』であったらしく、その場所に大山札を置くことを薦められた。
そして、先輩に読みをしてもらいながら、上段中央に置いて大山札を囲って取る練習をやってみた。囲い方は単純に、人差し指・中指・薬指あたりを畳に触れるようにしながら手で覆うという方法。ただ、取るときにはそのまま上から押さえつけるのではなく、指先で手前に弾くようにする方が良いとのことだった。他にも、相手陣を攻めながら相手の手にわざとぶつかって決まり字前に大山札に触れる技や、相手も上段中央に大山札を置いたときの対処法、相手に囲われたときの入り方などを教えてもらった。
この時から、僕の大山札に対する苦手意識がなくなり、むしろ「この技を試してみたい」という気持ちから、好きな札になってしまった。今思えば、『札を暗記して反応した札を思いっきり払い飛ばすだけ』というスタイルだった僕に、『考えて取る』というエッセンスを加えてくれたのは、この先輩だったのかもしれない。この日から、僕の上段中央には『きみがため』『あさぼらけ』『わたのはら』の大山札が置かれることになった。
<つづく>
あれ?お手つきしてないぞ
今日は、太宰府大会無段者の部ということで、見に行こうかなとも思っていたのだが、体調が良くなかったし、天候が悪かったので行くのは止めときました。で、代わりに夕方から練習。
あ、今年から練習結果の記載方法を変更しました。今までは、対戦相手の級、枚数差、お手つき数を掲載していたのだが、対戦相手の級を表示しないようにしました。ただし、1年以上前の対戦結果は級が表示されるようになります。
- 対B級 ○16 お手0
- 対A級 ○15 お手0
- 対C級 ○22 お手0
3試合連続でお手つき0回だったぞー!おそらく、僕がかるたを始めて以来初の出来事です。お手つきの3試合合計が20回以上というのは時々あるんだけどね。明日は、何か天変地異が起こるかもしれないのでご注意を(笑)
今日は、特にいつもと別のことをしたというわけではないのだが……敢えていつもとの違いを言うのであれば、読まれた音に対して、自分がどれくらいのタイミングでどの札に対して反応するかという、作戦的暗記をしなかったことくらいだと思う。しなかったというか、今日は雑念が多くて、純粋に札を暗記すること以外の時間的余裕がなかっただけなのだが(苦笑)
だから、お手つきはしていないけど、バラけている札に対しては、自分の理想と違う感じで手を出してしまうことが多かった。しかし、不思議と手を出した側から出札が読まれることが多くて助かった。まぁ、これはちゃんと聞き分けているのではなく、偶然だと思ったほうが妥当だろうなぁ……
また、指摘されて初めて気がついたのだが、構えたときの利き手の位置が、競技線から1cm程はみだしてしまっていたらしい。そんなつもりはないんだけど……と思いながら色々と試行錯誤していると、どうやら手の置き場所は以前と変わらぬままだったのだが、指先の置き方が変わってしまっていたようだった。
僕の本来の指先の形は、『鉛筆を軽く持つような感じの置き方』であった。雑談掲示板の2006年3月22日の書き込みでそのように書いている。つまり、親指の腹が人差し指や中指の腹と軽く触れ合うような感じで構えていたのだが、指摘を受けてから右手に注目して構えてみると、指の腹同士は触れ合わずに、人差し指や中指は伸びきっているような状態だった。なるほど、このように指が伸びきったことにより、競技線からはみ出してしまうようになっていたのか!
ということで、今日の二試合目と三試合目は指の使い方や右手の置き方を意識しながら試合をした。最近の『人差し指や中指が伸びきっている置き方』だと、全く力が入らない状態での構えになるが、『鉛筆を軽く持つような感じの置き方』だと、ちょっとだけ指先に力がこもる。どっちの置き方が良いのか、今日の段階で結論が出なかったのだが、『鉛筆を軽く持つような感じの置き方』の方が右側の札を気持ちよく払い飛ばせるような気がした。これから、色々試してみようかな。
さて、このお手つき0回連続記録は、おそらく次の練習で途絶えるものと思われます(笑)だけど、2007年の対戦記録(注:パソコン用サイトのページ)に書いたように、去年はお手つきが増加した一年となってしまったので、今年はお手つきを減らしていきたいです。目標としては、年間平均お手つき3回未満ですかね。ちなみに、去年が約3.7回……うーん、難しそうだ(汗)
連取されなきゃ負けないし、連取しなきゃ勝てない
これは僕の持論で、競技かるたを数学的に色々と考えていたときに、ふと思いついたことです。お互いにお手つきがない場合、2枚以上連続で札を取る(連取)が一度も発生しなければ、交互に札を一枚ずつ減らしていくことになり、運命戦になってどちらかが勝つということになる。だから、勝つためには札を連取することが必要になってくる。
また、数字上の問題だけに限らず、人間同士がかるたをやっている以上、『気持ち』というものが勝敗に大きく関わってくる。連取すれば気持ちが高揚し集中力が増し、連取されると気持ちが落ち込み集中力が減りがちになる。
これに加えてお手つきを考慮すると、『取る、相手がお手つき』『取られる、お手つき』といったリズムも連取のうちに含まれることになると思う。お手つきは、数字の上でも精神面でも、札を一枚取ること以上に大きな作用をもたらすので、特に試合終盤では気をつけておかなければいけない。
仮に、『10枚vs5枚』で負けている状態のとき、5連取して『5枚vs5枚』の状態に出来れば最高だが、なかなか出来るものではない。しかし、相手に連取させずに自分は連取する……つまり、相手が1枚取る間に自分が2枚取れば良いや、という気持ちで実践できれば、ギリギリで勝てたりするものだ。
そう言えば、最近バレーボールがテレビで放送されているが、どっちが点を取ったかを時系列でグラフ表示してくれることがあり、連取している状況が一目で分かる。『連取されなきゃ負けないし、連取しなきゃ勝てない』という考え方は、競技かるただけではなく、バレーボールをはじめとるする、点を取り合うスポーツでも同じように言えることなのかもね。
熊本総文一次予選
というわけで、かるたの大会を見に行ってきました。一試合目は、ずっと真面目に試合を見ていたのだが……どうも気分が悪い。体はだるいし、お腹はぐるぐる鳴り出すし、それ以降の試合はずっと見ているのがきつかったので、中盤から後半にかけてしか見ていませんでした……すみません。でも、僕はきつくてもきつくないフリをするのが得意なので、調子が悪いことに気がついた人は多分いないんじゃないかな(笑)
家に帰って熱を測ったら、37.2度ありました……僕は平熱が35度台なんで、ちょっときついレベルかな。道理で、大会終了後にポップンをやったときに、いつもクリアできている曲をクリアできなかったわけだ(苦笑)
閑話休題。今日の予選を見ていて感想は色々とあるのだけれど、とりあえず終盤について。終盤……特にお互いの陣の札が5枚以下になった局面で、ちゃんと考えて試合をしているのかな?と、見ていて疑問に思った。実際に選手たちに話を聞いてみたわけじゃないから断言は出来ないが、傍から見ていていると、やっていることに一貫性が無いように見えた。札をくっつけるか分けるか、左に置くか右に置くか、しっかりとした意思を持って場に札を置いて欲しいです。
まずは、「1枚対2枚」のシチュエーションで自分がどうしたいのか位はある程度はっきりとしておいた方が良いかもしれません。自分が2枚の時には、どのように札を置いてどのような気持ちで取りに行くのか。相手が2枚のときは、分けて置かれたときとくっつけて置かれたときの2パターンについて、どのような気持ちで取りに行くかを考えてみましょう。ちなみに、僕がどうしているかというと……流石にここでは言えないので、知りたい人は個人的に僕に聞いてください(笑)
「1枚対2枚」の考えがまとまったら、「2枚対2枚」や「1枚対3枚」など、ちょっと枚数を増やした場合も考えてみます。そうやって終盤のシチュエーションを、決まり字の事も念頭に置いて色々と考えていくと、どういった状態が自分が得意な状態なのかが見えてくると思います。後は、その得意な状態にできるような札の送りを心がけて実践できれば、きっと終盤が今よりも楽に戦えることでしょう。これは、札が無くても出来ることなんで、暇なときにでも考えておくと良いかもしれません。
あとは……やはり、3,4試合目になると疲れが明らかに表れている選手が出てきますね。まぁ、体を痛めたりした場合はしょうがないけれど、明らかにだらけた格好で試合をしているのは……ちょっとどうにかして欲しいですね。自分の試合に集中できずに、周りの視線が行ってしまうようになっている選手もちらほら見えました。個人戦で優勝する気なら、4試合くらいで疲れていたらダメだぞー。疲れていても、集中していればある程度カバーできるので、しっかりと頑張りましょう。
決まり字の最後の音
競技かるたをやる上で、『決まり字』はとても大切なものであり、これを知らなければまともな試合は成立しない。この決まり字の中で大事になってくるのは、『1音目』と『最後の音』だろう。1音目が大事なのは言うまでもないが、最後の音はその札を決まり字丁度で取れるか、お手つきをしないか、といった点で重要になってくる。
1音目については、『むすめふさほせうつしもゆいちひき……』といったように、1音目ごとに分類させて考えることが自然と行われているが、最後の音についてはそういった考え方があまり行われていないようなので、最後の音別の決まり字調査をやってみた。決まり字変化によって最後の音が変わっていくので調査がちょっと大変でした(汗)
僕は、自陣で暗記し忘れている札を最優先で送ります
自陣は覚えやすいはずだから、暗記し忘れてちゃダメなんだけどねー。今日は2試合やりました。
- 対C級 ○1 お手4
- 対B級 ×8 お手5
一試合目は、序盤に5枚差くらいつけられて、終盤近くまでずっとそれくらいの枚数でついていくような感じだった。序盤に取れなかった理由は、読みを良く聞けていなかったから。相変わらず、余韻から間にかけての間まで考え事をしてるような気がする……
終盤は、自分が好きな札のバランスにすることが出来なかったけど、出なさそうな札は相手陣に送っておくことができた。最後は自陣を守って辛勝。ちなみに、相手が最後の一枚を左下段に置いていたので、僕も最後の一枚を左下段に置いて、いつもの構えよりも左側に45度回転して構えてみた。この構えの利点は、自陣は目の前にある札を取るような気分で取ることができ、相手陣はちょっと遠目の右下段を取るような気分で取れる。まぁ、みなさんにはあまりおすすめしない技ですが……
二試合目は、気がついたら負けてました(汗)いつもと違う気分でやったので、集中力はあまりなかったかも。最後は、「9-1」で負けている状態から右自陣に9枚全部を固めておいたのだが、払いミスで出札が札押しで競技線外にでなくて8枚差負け。結構守り切る自身あったんだけどなぁ……
今日の全体的な感想としては、不思議と右側の札が気持ちよく払えていた。だけど、その理由が不明なんだよね(汗)最近変えたのは、相手陣の札を覚える順番を変えたことくらいなんだけど、それは原因ではなさそうだし……うーん、謎だ。
競技かるたにおける定石 その2
というわけで、昨日の記事(2007-10-05 競技かるたにおける定石 その1)の続きです。読んでいない方は、まずこちらを先にご覧ください。5パターンの場合をそれぞれ考えていく前に、このときの状況を考えてみます。
3枚vs1枚で負けている状態で相手陣を抜く……そうすると、次は2枚vs1枚の状態になるのだが、このときの送り札の最高の答えは、『最後まで読まれない札を相手陣に送る』ということになると思う。ここまで札の枚数が少なくなってくると、自陣が読まれた方が圧倒的に有利に札を取れる。最後まで読まれない札が自陣にある確率は約67%であり、相手陣にある確率は約33%。つまり、約33%の確率で2枚連続で自陣の方が読まれるということになり、これは試合に勝つ確率と近い値になるように思える。終盤においては、この勝率が下がってしまわないような(できれば上がるような)送りを心がけるべきだろう。
パターン1:あさぼらけあ、か(く)、おお(え)
この場合、僕だったら『あさぼらけあ』を送ります。大山札を自陣に残しておくのは怖いです。お手つきがあるし、どんなに早く囲ったとしても相手に取られる可能性がある。それを考えると、自陣の右下段に『か(く)』と『おお(え)』を固めて置いてそこに集中して、相手陣の『あさぼらけあ』は意識少なめに覚えておく(札が読まれた瞬間に、間違って相手陣方向に手が出ることが絶対にない程度の暗記)のが僕には合ってそうだ。
パターン2:わたのはらや、わたのはらこ、せ
正直迷いますね。この試合でのお互いのS音の反応と、残りのS音がどれくらいあるかによって決めるかもしれません。どれを送っても間違いではなさそうだ。『わたのはら』のどちらかを送って友札を分けた場合は、6字目まで聞いて取ろうだなんて思いません。『わ(た)』で決まり字前に思いっきり自陣を払います。普段は、別れ札を決まり字前で払うのはご法度なのだが、相手陣が残り1枚の場合は話が別。ダブになろうが関係ないので、決まり字前に払って確実に50%の確率で出札を自分のものにすることが大切だと思う。別れ札の相手陣を攻めて取っても確率は同じ50%だから、『せ』の守り損じが無いように、2枚とも右下段にくっつけて『わ(た)』を守りに行きます。このとき、自分は決まり字前に払う技が使えるが、相手はダブで逆転負けというリスクがあるので決まり字前に払いに行けません。
また、『せ』を送って自陣に『わたのはら』を2枚にした場合は、右下段に2枚くっつけて置きます。残り数枚の状況では、自陣の友札は離して置くべきではありません。どんなに聞き分けがうまくても、もしくは素早い渡り手が出来たとしても、相手が友札の一方のみを狙ってきたら、取られる可能性が高まってしまうからね。
パターン3:は(なの)、ふ、む
問題はH音を分けるかどうか迷う。H音の2枚を自陣に残すパターンが1番楽ではあるけど、それは相手にとっても同じこと。このパターンの場合も、その時のお互いの反応と空札の残り具合で決めます。
パターン4:あい、おと、ちは
僕だったら『ちは』を送ります。何故かというと、この札だけ子音で始まるから。子音で始まる札が自陣にある場合、相手が子音で反応して自分が反応できなかった場合が怖い。自陣の優位性(場所が近い、同時の場合は自分の取り)を上回って相手の取りになってしまう可能性が出てくるのだが、母音で始まる札の場合はそのようなことが無いのでちょっぴり安心なのだ。要するに、『子音で始める札は、母音で始まる札よりも、相手と自分の1字目の反応の差が生じやすい』という事です。
パターン5:なにわが、なにわえ、なにし
このような状況になることは、滅多に無いよなぁ……確率的を計算すると「97P47×3P3÷100P50」で約0.0006%くらいなんじゃないかな。自分が出ないと思った札を送って、他の『な札』の空札に注意するだけです。
以上、これが僕の考え方でした。もちろん、これが絶対的に正しい送りだと言うつもりは毛頭ありません。人それぞれ性格やかるたのタイプが違うので、最高の送りというものも違ってくると思います。
今まで試合終盤で送りのことをあまり意識していなかった人たちが、この記事を見る事によって色んな事を考え、それがかるたの上達へとつながってくれたら幸いです。
競技かるたにおける定石 その1
「定石」という言葉がある。意味は、三省堂提供「大辞林 第二版」によると、
囲碁・将棋で、ある局面において双方にとって最善とされる一定の打ち方・指し方。長年の研究によって確立されたもので、それに双方が従えばある局面の結果は互角になる場合が多い。〔囲碁では「定石」、将棋では「定跡」と書く〕
僕は、競技かるたの札送りにも、ある程度「定石」というものが存在すると思う。「このシーンでは、この札を送るべきだ!」というものがあるんじゃないかな。囲碁・将棋と競技かるたとでは性質が違うので、万人共通の定石というものは無いかもしれないが、それぞれのタイプや性格などに適した定石というものがあると思う。序盤・中盤はややこしいが、終盤は色んな場面を想像して考えてみるだけでも結構面白い。確固たる意思を持って、どのような場面でどのような札送りをするかを決めておけば、終盤の戦いも少しは楽になるんじゃないかな。
終盤の札送りを想像して考えることは、札がなくても暇なときにこっそり出来る、ちょっとしたかるたの練習になる。例として、3枚vs1枚で負けている状態で相手陣を抜いたとします。その時の3枚の札が、以下のような状態のとき、自陣にある3枚のうちどの札を送るべきかを考えてみてください。
- あさぼらけあ、か(く)、おお(え)
- わたのはらや、わたのはらこ、せ
- は(なの)、ふ、む
- あい、おと、ちは
- なにわが、なにわえ、なにし
とりあえず5パターン。括弧でくくったのは、決まり字が短くなったという意味です。何を送るか、何故その札を送るのか、送った札を相手が右に置いた場合、左に置いた場合、自陣の2枚をくっつけるのか、左右に分けるのか、残りの空札がどのような状況なのか……色んなことを考えてみるだけで結構面白いと思う。
明日暇だったら、これらのパターンに対する僕の考えを書いてみようと思うんで、皆さんも暇だったら考えてみてください。その結果が正しいかどうかよりも、考えるということ自体が大事だと思います。ちなみに、僕が正しい答えを言える自信は全く無いのであしからず(汗)
僕の自陣の配置を教えます
競技かるたをやっている人のほとんどは、自分の配置(定位置)というものを持っていると思う。ネット上に自分の配置を載せている人なんて見たこと無いけど、僕は別に気にしないのでみんなに教えちゃいます。別にバレたからと言って、僕の配置を必死に覚えて対戦する人なんていないでしょうし(笑)
では、それぞれの段別に、左から順番に書いていきます。友札や同じ音で始まる札については、中点で区切って書いてみました。仮名遣いとかは結構適当です(汗)
左上段 10枚
あわじ・あわれ
みかの・みかき
はるの・はるす
おと・おも
たち・たれ左中段 16枚
おおけ・おおこ
わすら・わすれ
ながか・ながら
かぜを・かぜそ
ありあ・ありま
あけ
やえ・やす
いに
ひさ
きり左下段 17枚
なにわが・なにわえ
ちぎりお・ちぎりき
あまの・あまつ
たま・たか
こい・これ
みよ
よを・よも
ゆう・ゆら
しの・しら右上段 12枚
なにし
なつ
おく・おぐ
いまは・いまこ
あらし・あらざ
やまが・やまざ
はなの・はなさ右中段 16枚
わび
この・こぬ
たご・たき
みち・みせ
ひとは・ひとも
なげき・なげけ
あきの・あきか
あさじ
きみがためは・を右下段 25枚
せすさふほむめ
かく・かさ
ちは
つく・つき
もも・もろ
うか・うら
あい・あし
おおえ
わがい・わがそ
こころあ・こころに
よのなかは・よ上段真ん中 4枚
あさぼらけあ・う
わたのはらや・こ
以上、こんな感じです。僕は基本的に友札はくっつけるタイプなので、相手から見れば覚えやすいと思います。もし、僕の配置を真似して自分の配置にしたいという方がいたらご自由にどうぞ(笑)ちなみに僕の配置というのは、かるた部に入った当時に既にA級選手だった同級生から、「このように自陣の札を置いてね」と、配置が書かれた紙を渡されてそれを覚えました。以降、自分が好きなように少しずつ変えていって現在に至ります。
こうやって改めて自分の配置を見ると、あまり取れていなかったり、お手つきが多い札が目に留まる。また、配置をちょっぴり変えてみようかな。一字札を固めるのを止めたいんだけど、なかなか止めれませんわ(苦笑)
相手陣の札を暗記する順番
僕が相手陣を暗記するときの順番は、相手選手から見て『右下段、右中段、右上段、左上段、左中段、左下段』の順番で覚えている。ちょうど、『Uの字』を描くような感じかな。そして、それぞれの段を覚えるときには、左側の札から順番に見ている。意識してそうやっているわけではないけど、いつの間にかそうなっていた。
僕が、自分から見て左上の部分から暗記を開始するのは、『人間の視線は左上から見る』という深層心理が理由なのだろう。ということは、特に意識せずに相手陣を暗記している人は、自然と相手陣右下段を一番たくさん暗記しているのではないだろうか?思いついたので書いてみた。だからと言って、競技の向上には役に立ちそうにないどね(苦笑)
せっかく自分の相手陣を覚える順番を考えてみたのだから、これをきっかけに暗記順を、『右下段、右中段、右上段、左下段、左中段、左上段』の順番に変えようかと思う。理由は、左右それぞれの部分を『Zの字』を描くように暗記していった方が、人間の視線の動きとしては自然かな……と思ったからだ。効果があるかどうかは不明だけどね(汗)
競技線の測り方
競技線の横幅の長さは87cm。人によっては、「札を16枚半並べた長さ」と教える人もいるが、札の状態や製造会社によって多少大きさが変わってくるため、87cmで覚えましょう。
さて、この競技線だが、毎回メジャーや定規などで測るのは面倒なので、それぞれが独自の方法で87cmを測っている。どのようなものがあるかというと、
両手で測る
肘から指先までの長さは、成長期を終えた者であれば約40cm弱あるので、両手を使って指先を合わせるようにして一直線にすると、80cm~90cmの長さになる。あとは、それぞれの腕の長さに応じて微調整。厚手の服を着ていると長さが変わるので注意。
片手で測る
どちらか一方の手を、車のワイパーのように肘を支点として180度動かし、指先から指先までの距離を測る方法。
目測
慣れてくると、測らなくても大体の競技線の大きさは分かってくるはずです。上級者が使用する測り方。
僕の場合は、基本的には測りません。並べるのがあまり早くないんで、相手が測ることが多いです。そして、目測で競技線の幅が違うと感じたときは、「両手を使う」方法で自分で測りなおして見ます。ちなみに、相手が測った競技線が違うときに「狭すぎる」ということはよくあるけど、「広すぎる」ということは一度も無いような気がする。もしかしたら、広すぎるときに僕が気が付いていないだけかもしれないけどね(笑)
膝は大事だよ
僕が高校のかるた部に入って数ヵ月が経った頃のお話。高校2年の2学期という中途半端な時期に入部した僕は、試合をしてもいつも負けばかり。だからという訳ではないのだが、僕は試合よりも払い手の練習の方が好きだった。部室に入ったらすぐに黙々と払いの練習をして、試合が始まるまでひたすらやっていた。とにかくたくさん練習するために、払った後にすぐにまた構えて払うの繰り返しで、入部後の払い手の練習量は当時のメンバーの中では僕が一番多かったのではないかと思う。
で、あるときA級選手の同級生が僕の前に座り、「払い手を見ててくれる?」とお願いしてきた。何故、初心者の僕にそんなことを頼むのだろうかと不思議に思ったが、じっくりと見てみることにした。何度か払いを見てみると、手は出札に対して真っ直ぐ行っているし、起動も低く、スピードも遅くない。でも何か違和感がある……と思いながら見ていると、「どう?」と意見を求められた。僕は迷いながらも「別に良いんじゃないかなぁ……」と答えると、「嘘ぉ!?膝が動きよるどたい?」と言われた。
なるほど、そういうことか。そう言われて改めて払いを見てみると、確かに膝の位置が動いている。右側を払うときに、右膝を最初に構えている位置から移動させた後に膝の位置を固定し、そこに力を入れて払っているような感じだった。そのために、出だしが少し遅れている。僕が感じた違和感はこれだったのか。
膝を移動させた後に払うという癖は効率が悪いのだが、意識しないと案外自分では気が付かない。「払い手の練習ではうまく払えるのに、試合ではうまくいかない!」という人は、この癖が原因の人もいるかもね。払いの練習をするのは大切な事だけど、たまには人の払いをじっくり見てみるのも良いいんじゃないかな。その人の払いの良いところを真似してみたり、悪いところは自分もそうなっていないか考えてみる。結構面白いですよ。