Post:2008年06月09日

札を投げ渡すのは、礼儀としてどうなんだろう?

昨日、生徒たちと並んで試合を観戦しているときのことだった。払い飛ばされて近くに飛んできた札を、選手に向かって下から放物線を描くようにして投げ渡している役員がいた。その様子を見ていたた生徒から、ヒソヒソ話でこんな声が聞こえてきた。

「えっ!?札を投げて渡してるよ」
「手渡しじゃないとダメじゃないの?」

僕は、それを複雑な気持ちで聞いていた。熊本では、周りで試合をしている人の札が近くに飛んできたときに、札を投げて渡すことを禁止する教えが浸透しています。これは、今まで熊本の高校でかるたを教えてきた顧問の先生方のご指導の賜物だと思っています。

しかし、このような考えが県全体でまとまっているのは、全国的に見れば稀有なことではないかと思います。県外の練習や大会では、札を投げ渡す行為が見られることがあります。それも、競技暦の長いA級選手たちが当然のように行っています。競技かるたは、周りの人の影響を大きく受ける競技ですから、そのような姿を見ると初心者もそれを真似していき、結果として「札を投げ渡すのは普通の行為だ」という意識が根付いてしまいます。

もちろん、投げ渡した方が試合の進行が早まるという考えは分かります。しかし、「畳を叩くな」「礼をしっかりしよう」といったマナーに関することが全日協より叫ばれている今、「札を投げ渡すな」という声が全く聞こえてこないのが不思議でたまりません。自分たちが実行出来ていないから、叫べないのかもしれませんけどね(笑)

このような話をすると、「じゃあ、札を払い飛ばす行為はどうなの?」と突っ込む人もいるでしょうが、それとこれとは話が別です。札を払い飛ばすというのは、出札に対して最速で取りに行くために生じてしまう行為ですが、札を投げ渡す行為に必要性はあまり感じられません。その札を飛ばした人が取りに行くのが本来の姿ですが、札を見つけた人が渡しに行く状態になったときには、近くまで行って札を置いてあげるか、札を手渡してあげるべきでしょう。

だけど、僕は県内の子たちに対して「札を投げ渡すな」とは言っても、県外の方々に対して「札を投げ渡すな」と言うつもりはありません。反論されるのが怖いというのもありますが、選手・指導者それぞれの考え方があるでしょうしね。ただ、僕は「札を投げ渡さない」という行為を自ら実践し、この考えに賛同いただける方が少しずつでも良いので増えていってくれればなと願うのみです。