Post:2007年07月30日

日本一の高校生読手

最初にあの子の読みを聞いたのはいつだったろうか……

扇風機の風を受け、携帯電話をいじりながらふとそんなことを考える。多分、2年前の秋頃だったと思う。正直、最初の印象は僕にとって『取りづらい読み』だった。下手というわけではないのだが、読み方に少し癖があって、全体的に早く読んでいるのに伸ばすところは長く伸ばし過ぎ……そんな感じの読みだったと記憶している。

本来であれば、その時点ですぐに注意してあげるべきだったのかもしれない。しかし、色々あって僕は読手にアドバイスをしたくなくなっていたので、何も言わずにただ試合をするだけだったのだが、何度も練習にお邪魔して読みを聞いていくうちに、少しずつ悪い癖が治っていくのが分かった。同時に発音や声の大きさもだんだんと良くなって行き、そして高校総文祭読手コンクールの部の3名の中の1名に選ばれたことを知り、驚きと同時にとても嬉しく感じた。

それから、色々と積極的に自分の読みの感想を周りに聞いたり、読みの練習をする姿をそれまで以上に見かけるようになった。ある日の練習のとき、僕は試合中にあることに気が付いた。「あ、札が読まれる前に次に読まれる札が分かっちゃうや……」要するに、間のときの息遣いで次に読まれる札がある程度分かってしまう状態になっていた。このことを言うべきかどうか……迷った。僕自身があまり読みをやらないので、これを治そうとして他の部分が悪くなってしまうのが怖い……そして、アドバイスを求められたときに、「悪いところはあるんだけど……実際の大会では分からないだろうから、別に治さなくてもいいかもしれないけど……」と、指摘するかどうか迷っていると、「大会で良くても、練習で悪かったら意味ないじゃないですか!」と、きっぱりと即答された。

言った本人は、そのときのことを覚えているかどうか分からないが、僕はその言葉に凄く感銘を受けた。大会に向けた読みの練習するということ以前に、大会に向けて頑張る選手たちのために良い読みをしてあげたい……そんな想いが伝わってきた。

色んなことがあったと思うけど、色々と思い返すと僕まで泣けてきちゃいます。遅くなりましたが、高校総合文化祭小倉百人一首かるた部門読手コンクールの部、最優秀賞おめでとうございますっ!