競技かるたマンガ『おてつき☆おちゃっぴい!』全3話感想
というわけで、先日注文していた競技かるたマンガ同人誌『おてつきおちゃっぴい ぜんぶ(作:西川魯介
)』が本日届きました。このマンガをどのような経緯で注文することになったのかは、先日書いたブログをご覧ください(2009-05-18 競技かるたマンガ『おてつき☆おちゃっぴい!』を買ってみた)。
では、この部活ラブコメマンガの感想をネタバレありで書いていこうと思います。ストーリーの大部分を書いていくつもりなので、これから読むつもりの方は見るのは控えた方が良いかもしれません。ただ、このマンガはストーリーが分かっていても十分面白いと思いますが(笑)
表紙
では、まずは表紙から突っ込んでいきましょうか。B5サイズのカラー表紙で、キャラクターたちの周りに取り札を何枚か描いているデザインです。
取り札は、『はるす』『いに』『おおえ』と……あれ?残りの札は存在しない札だぞ!?4枚はよく分からない歌が描かれていました。
『うかふなくるふたくんるるいえ』
『そそみしかくてくそまみれかな』
『それにつけてもかねのほしさよ』
『めてたくもありめてたくもなし』
何と言うか……遊び心に溢れていて良いですねー。ちなみに、札の色は全て茶色でした。
#1 かるたのススメ(P3~30)
では、第1話の感想を書いていきます。主人公は、生田中学かるた部に所属する中学2年の男子高校生『朧谷虔治(おぼろたにけんじ)』。登校すると、幼なじみの女の子『尾崎いづな(おざきいづな)』がクラスに転校してきて、かるたをやっていたから部活を見てみたいと言う。
屋上にあるプレハブ小屋らしき部室に移動して、かるた部員の紹介。3年男子で部長の『高津俊輔(たかつしゅんすけ)』、3年女子の『支倉桜花(はせくらおうか)』、1年女子の『野槌佳織(のづちかおり)』。あとは、何故か部員でないのに部室に入りびたっている男子『菊一文字』。
そして、試合シーンでは、1枚のみの畳の上で向かい合って試合をしています。これでは、払い手の時に手を付けませんね(汗)このとき、読み手が序歌の下の句を読んでいるんですが、
それにつけても
かねのほしさよ~~
なんとまぁ、面白い序歌を読んでいることで(笑)ちなみに、現在では全日本かるた協会が『難波津に 咲くやこの花 冬ごもり 今を春べと 咲くやこの花』の歌を指定序歌として定めているが、昔は読み手が好きな歌を自由に読んでいたそうです。例えば、『君が代は 千代に八千代に さざれ石の いわおとなりて 苔のむすまで』を序歌として読んだりね。
あ、そう言えば、表紙に書いてあったよく分からない取り札は、この歌のことだったのか!
次の試合に移り変わると、違う子が読み手を務め、このような序歌を読みました。
ふんぐるい
むぐるうなふる
くとうるう
うがふなぐる
ふたぐん
るるいえ~~
この歌は一体何なんだ!?調べてみると、クトゥルフ神話
にでてくる呪文のようなものらしいです。ネタ元がすげぇよ(汗)
後回しになりましたが、競技かるたの試合シーンに注目すると、細かく突っ込めば実際の試合とは雰囲気が違います。しかし、決まり字ちょうどで取るという事はしっかり押さえてあり、激しい競技かるたの取りをマンガとして上手く表現できていると思いました。
#2 特訓大作戦(P31~50)
第2話では、陸前女子学院百人一首部との練習試合が決定して特訓することになります。しかし、その特訓方法はハチャメチャで、楽しく部活をやっているなー、という感じでした。どうやら、主人公は100枚全てを覚えきれていないようでした(笑)
#3 邪宗門秘曲(1) “ドキッ!女だらけの百人一首部”(P51~72)
第3話では、お嬢様学校である陸前女子学院での練習試合です。部長は『評定河原琴絵(ひょうじょうがわらことえ)』、副部長は『経ヶ峰夏樹(きょうがみねなつき)』。何故か、弓道のような服装で試合をするようです。
次に、生田中学の部長からオーダーが告げられるの。「順番はこうだ!」と発表されたのは……
- 支倉
- 野槌
- (ダブルス)
高津
尾崎 - 朧谷
- 尾崎
いやいや、ちょっと待って!これって、卓球団体戦のやり方でしょ(汗)マンガの都合かもしれませんが、1組ずつ対戦する形式で進んでいくようでした。で、またもやオリジナルの序歌が読まれて試合開始です(笑)
媚びながら
あなどることを
許さじと
思える薔薇の
美しきとげ
これは、歌人『中原綾子』(1898‐1969)が読んだ歌らしいです。試合は、ルール説明をしながら進んでいきます。
- 25枚が持ち札
- 左右87cm以内
- 自陣は3段以内で1cm空ける
- 相手陣と自陣は3cm空ける
- 暗記を終えたら互いに礼
- 最初に空札が読まれる
- 敵陣を取ったら自陣の札を1枚送る
- 別れ札で、敵陣を攻めて自陣に戻るのを「返り手」という
と、ここまでは、競技かるたのルールブックを参考にしたであろうことが書かれています。真面目に競技かるたのやるのかな……と思ったら、次のシーンでその考えは消え去りました。指先で札を払いながら手の甲で相手の手に触れると、対戦相手がコマのようにくるくると回転(笑)解説では、
3秒以内ならば
打突攻撃も
許される
「円舞人形(おどらでく)」は
応じ技の一種で
もちろん反則では
ない
おいっ!そんなルールはありませんからっ!でも、もし許されるのであれば、この必殺技「円舞人形(おどらでく)」をやってみたいです(笑)次に第2試合目の序歌は、
基督(キリスト)の
真はだかにして
血の肌(はだえ)
見つつ笑えり
雪の中より
これは、歌人『折口信夫
』(1887-1953)が読んだ歌らしいです。3試合目の序歌は、
傷つけば
なべて美し
薔薇疹も
打撲のあとの
にぶき紫紺も
これは、歌人『春日井建
』(1938-2004)が読んだ歌らしいです。作者のネタの幅がうかがえますね。
試合は、3試合目のダブルスの途中でおしまいです。中途半端なところで終わっていますが、次号から掲載雑誌自体が休載してしまったため、マンガはここでおしまいの最終話ということになります。
全体としての感想
競技かるたという視点から見ると、おかしなところが目に付きますが、マンガとして純粋に面白い作品でした。細かい部分にまでネタが書き込まれていて、ページ数以上の読み応えがあります。
個人的には、今からでも良いから続きを書いて欲しいくらいです。今なら競技かるたマンガの『ちはやふる
(作:末次由紀
』が人気だから、注目度もアップしてお得ですよー(笑)
競技かるたを扱っているからという理由でこのマンガを買ったのですが、西川魯介さんが描いた他の作品も読んでみたくなりました。
[Amazon: 4592142918][Amazon: 4199501207]関連記事
同じ日の記事
- 2012-05-21 時雨殿がHPに「百人一首検定」開設 (0)
- 2008-05-21 トランプタワーに再チャレンジ! (0)
- 2008-05-21 畳の上のスポーツin長崎 (5)
- 2007-05-21 送り札について考えてみようと思ったけど…… (0)
- 2006-05-21 県協練習会【2006年5月】 (0)
- 2004-05-21 ジャージにこだわる男 (0)
コメント
No comments yet.
Sorry, the comment form is closed at this time.