競技かるた小説『恋する百人一首』の感想

[Amazon: 4569781330]

2011年9月に『恋する百人一首(著:内海準二)』という小説が発売されました。どうやら競技かるた部を舞台とした話になっているようなので、購入して読んでみることにしました。ちょっと高かったんでためらいましたけどね(笑)

では、せっかくなのでネタバレありで感想を書いてみたいと思います。出来るだけ話の重要な部分は書かないつもりですが、大まかな話の流れやおかしな点について書いていこうと思います。

内容紹介

いま全国の中学・高校では、コミックなどの影響により、マイナーと思われる文化部に人気が集まっているという。本書の舞台は百人一首をとる速さを競うカルタ部。授業でも暗記が課題になることが多い百人一首にまつわるお話で、身近に楽しめる学園コメディ。
中2の大久保みゆきは、父と約束をした。中1のときバレー、バスケット、吹奏楽、美術部と次々にやめてしまった部活だったが、もう一度どこかの部に入って、夏まで続けばケータイを買ってもらえるというのだ。みゆきの新しい担任は、カルタ部設立に燃えるおトイレ(御手洗)先生。みゆきは軽い気持ちで出来たばかりのカルタ部に入ると決めた。まだできたてなので、「カルタ同好会」。しかし、みゆきはいきなり会長になってしまう。「適当に」と思っていたが、中1に負けてがぜんやる気に。
みゆきを応援してくれる他校の男子、感じの悪い有段者の渡辺春菜など、個性的な登場人物とみゆきのバトルが痛快!

各章のタイトル

  1. 新しい担任
  2. ケータイ、買って!
  3. 私が会長?
  4. 1年生には負けません
  5. カルタを覚えるぞ
  6. 初めての競技カルタ
  7. 1枚も取れないよ
  8. 試合見学
  9. 会場、脱出
  10. 制服はどこ?
  11. 有段者はどこ?
  12. 打倒!渡辺春菜
  13. その恋、お手つき
  14. 決戦のとき
  15. お手つきは厳禁
  16. 私が秘密兵器?
  17. 初戦の相手は……
  18. 中学生には負けられない
  19. また同じ相手なの?
  20. 最後の大失敗
  21. 私はついてない!を信じて
  22. 2人であの3人を倒すのよ

大まかなストーリー

競技かるたを全く知らない中学生の主人公がかるた部に入ることになり、源平戦、個人戦、個人戦大会出場、団体戦大会(職域)出場するというお話です。

ルール説明や百人一首の意味の解説を交えながら話が進んでいくので、この本を読むことによって主人公と一緒に競技かるたのルールが分かっていくと思います。しかし、そういったことを既に知っている経験者が読んだ場合は、そこまで楽しめないかもしれません。

おかしいところ

読んでいると、ちゃんと競技かるたについて調べて本を書いたんだなということが分かりました。しかし、それでもおかしいところがあったのでツッコミを入れておきます。

P44 「あ」から始まる歌はなんと17枚もある

「あ」が17枚というのは、他の百人一首関係の本などでも見たことがあります。「あふこ」を「あ」の札として数えているため、実際よりも1枚多い17枚となってしまっています。

文字として表記した場合は確かに17枚で正解なのですが、音として捉える競技かるたの場合は16枚が正解です。

P52 C級優勝で初段

公認大会C級で優勝した場合、初段ではなく二段になる権利が与えられます。この本では、段位と級の紐付けがおかしくなっているようです。

P73 畳をたたくのは気合を入れるため

違います。畳をたたくのは、札を払った後に手の勢いを殺したり、バランスが崩れた身体を支えるために行います。そして、素振りのときはその必要性が低くなるため、極力畳をたたかないようするのが良いとされています。

気合を入れるためにたたくのは、競技かるたではなく、主に北海道で行われている下の句かるたの場合の話です。

P88 公式戦デビュー

申し込みもしてなかったのに、いきなり午後から飛び込みで大会出場をしています。いやいや、そんなん無理でしょ(汗)

P132 あと5分です

暗記時間の残り時間を告げるのは、残り2分になったときだけです。読み手が「あと5分」と言うことはありません。

まとめ

今まで競技かるたを題材とした小説はほとんどなかったので評価が難しいのですが、予想していたよりも上手くまとまっているなと感じました。『ちはやふる』ではなく、この本を読んで競技かるたを始める人が出てくると面白いですね。

ただ、文字が大きくて総文字数が少ないので、1,155円というお値段はちょっと高すぎる気がしました。

これから、競技かるたの題材としたマンガや小説が、どんどんと増えていきますようにっ!

5 Comments

  1. はじめまして。
    初コメントさせていただきます。
    私の記憶では確か現クイーンが中学生の頃にクイーン位を取ったときの中学生新聞にこの小説が連載されていましたよ。
    だからちはやふるより歴史はながいですね^^

  2. 作者はS県F高校の百人一首部出身です。大分古いOB。
    「あ」が17枚はご愛嬌ですが、C級優勝初段などは「当時」は正しかったのですよ。畳を叩いて気合を入れるような言い方もありました。

    書くにあたってどれだけ再確認や取材をしたか分かりませんが、少々怪しいのは「過去の知識」で補ったところでしょう。

  3. >コオ さん
    どうも初めまして。
    本に出典の記述がなかったので全く知らなかったのですが、
    過去に連載されていたものだったのですかっ!
    ちはやふる人気にあやかって書かれたものだと、
    勝手に失礼な早合点をしてしまっていたので申し訳ないです……

    出来ることであれば、
    もっと早く書籍化して欲しかったですね。

    >なにはづ さん
    詳細なご指摘ありがとうございます。
    作者が競技経験者だったとは全く知りませんでした(汗)

    「あ」が17枚などのミスがある一方で、
    職域や団体戦での札合わせなどの話が出てきたので、
    妙に詳しく書かれている部分があるんだなと不思議に思っていました。

    謎が解けてスッキリしました。
    ありがとうございます。

  4. こちらに書かれたコメントを読んで、ますます興味を持ちました。
    ぜったい読みますッ。

  5. ぜひご覧になってみてください♪

Sorry, the comment form is closed at this time.